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■01/01/19 コバルト01年2月号感想
コバルト01年2月号感想
(邂逅編第十七話 越海漂流)

日本海の"海"というのは、私は数えるほどしか生でみたことはありません。
つい先日の元旦に日本海見てきたのですが、風が強くて海が荒れていました。
だから、どうしても日本海というと荒波で船だとものすごく揺れそうだというイメージが強いのです。特に夜の海を船で往くというのは私には経験がな いので、想像するしかないのですが…あたりは現代のように家の明かりで夜景が綺麗というわけにはいかないだろうから、真っ暗なんですよね。
そんな暗い中、松明の明かりとともに追っ手が船に向ってきていて、しかも火薬積んでいる船で、船を漕ぐのはプロではない人たちで…どう見ても逃 げるには不利な要素ばかりだったんですが、それが景虎様の指示と力で切り抜けたというのは、流石に物語だという印象を受けるよりも、景虎様が凄い才能と力 を持っていることを再確認するには絶好の場面だったなと。
これでもか、という悪条件をどうにかできてしまう彼は、当たり前だけど常人ではない訳で…、本当に手の高い所にいる人のように感じました。
邂逅編は夢で、本編は現実というイメージがしてしまうのは私だけでしょうか。
邂逅編を読んでいると、景虎や直江たちは今の本編に登場するわけだから、どんな窮地に陥ってもどうにかしてきたんだろうな、というの私の頭には常にあります。
だから本編と同じくらい窮地に陥ったりしても、緊迫感が足りないというか、彼らだったら、このくらい出来るだろう、出来るはず、と思って読んでしまうので力がうまく制御できないとか、今の彼らと違うところを見るたびに、新鮮な思いと同時に歯がゆさを感じてしまいます。
でも少しずつ、彼らの「初めて」な体験が読めるのは面白いのですけれど。
意外だったのは、景虎が直江に向って樋口与六の話をしたこと。
そこで、そう来るのか!?と読んでいて直江と一緒で動揺してしまいました。
最初は助けに来てくれた安心を出すまいとして照れ隠しが目的で、直江を動揺させるつもりなのかなと思ったのですが…。違うみたいですね。
景虎は生きている景勝の動向を聞いてしまったのが原因かな、とか。
その辛さはどうしても死に追いやった直江にぶつけてしまうのは当然なのだけど、恨みをぶつけるだけじゃなくて、直江にも同じような思いをどうにかさせてみたいという景虎の暗い思惑が感じられたんですけど…。深読みのしすぎでしょうか。
ずっと本編から感じていた景虎像は、聖人君子的な清らかなイメージで想像していたので、恨んだり、相手のプライドを傷つけるようなことをしたり、 人としての生々しさがなかった分だけ、高耶は本当に景虎と同一人物であったのか?と初期の頃にあったような疑問をもっていたのですが、邂逅編が進むにつれ て景虎様もやっぱり人間だったのね。と、しみじみ思うようになってきました。幻滅したとかそういうことではなくて、例えるなら絵に魂が宿ったみたいな感じ です。
しかし、直江はよく追いつきましたね。よく追いかけてきましたねと言うべきか。
それで助けにきたら、景虎にあんなことを言われてしまっては、直江にしてみれば恩をあだで返されたってところでしょうけれど、言われっぱなしで直江が引き下がるとは思えないので、何かの機会に倍返しをするのでは…?と直江の逆襲が少々楽しみです。
あと直江の葛藤というか、怯えのことなのですが、段々景虎に執着していく方向に向うはずなので、そこまでの過程が楽しみでもあるのですが、この心理的変化がちょっと興味深かったです。
気になるといえば、藤の存在。今の本編に出てこないところを見ると、景虎たちとなんらかの別れの運命が待っているはずなのですが、どんな別れで景虎たちにどんな影響を与えていくのかも気にかかります。
イラストのほうは、直江が景虎を助けにきた場面のやつが今回一番のお気に入りです。

01.1.19UP


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